『誠と魔言の分かれ道』~富士に咲き出す毒の華




おのれを知らぬ蔦草は 木々に巻きつき高みへ昇る

見渡す景色に呑み込まれ おのれを忘れて鼻高天狗

おのれの力を過信して 独りで立てぬことを忘れて

巻きつきたる木を枯らすほど 葉ぶりを拡げて我善し御魂


これでは共生かなわぬと 気付きたる木は是非も無し

木に巻きつきたる蔦草を 排しにかかりて蔦草散らす


剥ぎ取られたる蔦草は 地面を這うしか無きために

次の木に寄り這い上り 恨みつらみの情けの水で

次に登りたる木を腐らせて 腐りを放ちて恨みの鎖

過去を引きずる腐りの鎖 腐りを拡げる蔦草となる


愛無き故に愛を得られぬ 憐れなるかな蔦草よ

愛無き故に木と成れぬ 憐れなるかな蔦草よ


大地に根を張る誠が無くば 大樹と成れぬ地を這う蔦草

うつろう欲が手の如き 小さき無数の根を伸ばす

愛が無くとも大樹のように 高みに登る欲を追い

大樹に這い寄り巻きついて 花を咲かせる藤の花

大樹にいくつもの根を張り 大樹を喰らいて花咲かす


大樹に群がる蔦草で 覆いつくされた日ノ本は

一つ二つと枝を枯らし行き 幹も枯れ行く運命の中で

根元に落ちたる種のため 虫鳥呼び寄せ芽吹くを願う

愛ある大樹に育てよと 最後の愛の姿で朽ち行く


貪りつくされ朽ち行く大樹 貪りつくして朽ち行く蔦草

新たに芽吹く大樹には 蔦草の毒を含みし木

誠の愛には毒がある 薬なれども蔦草には毒

巻きつきたくとも巻きつけぬ 地を這うだけの蔦草となりし


次世を立てる大樹の柱 新たに芽吹いた木々が寄り添い

一柱、三柱、五柱、九柱 十柱、五十柱、五十九柱

誠以外は受け付けぬ 蔦草どもには毒の華

毒に当てられようやくに 自分が蔦草だと気付く

藤の花は不二には非ず 誠の不二の桜花

富士の高みで勘違いした 富士に巻きついた藤の花

藤を消し去る富士の華 誠の愛の毒の華



毒は薬 薬は毒 誠と魔言の分かれ道




癒奏術・響庵

心と身体と魂を癒す・・・それが「癒奏術」 肉体から霊体へ、霊体から神体へと手が届く唯一の施術です

0コメント

  • 1000 / 1000