『龗(オカミ)狐と晦日の祓い』 ~蜘蛛の糸の撤収準備 《淺田友神帳》
大晦日 山羊座新月 大祓 ー
朝早くから自宅の神前にて【八剱の大祓】を執り行い、
「さて、海へ流しに行こうか」
そう思って神戸の和田岬にある『和田神社』へ行こうと、自転車に乗って勇んで出かけたところで
『そっちじゃない』
と言って自転車を引っ張る・・・龗(オカミ)狐か!?
「え?どこへ行くんだ?」
そしてクルっとUターンしてきた道を戻りながら
「山の方か?」
そう思い、今度は六甲山を目指す
すると
『そっちじゃない』
と言って再びUターン
「・・・・・・・」
自転車がどんどん重くなる。
ペダルを漕ぐ足もどんどん重くなる。
「帰れってか?それなら出かける前に言ってくれ」
『そんなところまで行かなくていい』
だそうだ。
しかし、せっかく自転車で出て来たのだから・・・と、5分ぐらい走ったところにある「ダム」へと向かうことにした。
ちょうどそこから和歌山のほうまで望めるので、そこから海へ流そうと・・・・・
「OK」
とでも言うように、自転車も足も軽くなった。
ー〈石井ダム〉
ダムに到着し海の方を眺めながら
「あぁ、そういえばここから見える海はちょうど和田岬のあたりだな」
そして、ダムから放水される水が
『佐久那太理に落ち多岐つ・・・・』
なわけである。
「あ、なるほどね。もしかして知っていたのか?」
『ふんす‼』
「オカミ」さん、ガッツポーズである。
『もっと私を使え』
ということのようだ。
「使っていいのか?」
『いい』
そうか・・・御役目をやればやるほど上がれるんだからな。
「わかった」
「では流してきてくれ、地祇(くにつがみ)さん。」
と、敬称でお願いすると
「ビューッ」という突風と共に一気に和田岬へ飛んでいった。
今日は風も強い。
海の方へ抜けていく風だから、もし自転車で行ってたら帰りの登坂は強風の向かい風だったな。
「助かった」
龍のように飛んでいき、もはや小さくなった後ろ姿に言葉をかけた。
「ところで・・・・他にも居るだろ!」
「お前らだな、乗ってたの・・・」
先日、摩耶山へ行った時に一人付いてきた狐と・・・
再度山ふもとの飯綱か・・・・
ー〈摩耶山、忉利天上寺付近〉
再度山ふもとの飯綱たちをここ(摩耶山)へ連れて来てお願いしてきたのだが、その折に一人付いてきた・・・と思ったら、飯綱も一人付いてきていたようだ。
「なるほど・・・それで最初迷わされたんだな。二度もUターンさせられて・・・・」
『+*゚.ヾ(*´∀`)ノ☆*+.゚キャッキャうふふ( *´艸`)』
「・・・・・・」
泣けるぜ・・・
・・・・・
そして帰宅後・・・・・
『【蜘蛛の糸】をそろそろ撤収するように』
隠語である。
上へ引き上げるために垂らした糸に気付いた者が登る気になったら登る【蜘蛛の糸】
今までずっと垂らし続けていたが・・・
それが【救いの糸】であると気付けた者は幸いである。
「そうだな、少しずつ引き上げるか。」
そうして『大晦日の大祓』と『山羊座新月』の抱負(蜘蛛の糸の引き上げ)を挙げることが完了した。
友神たちへの今年一年の感謝とともに・・・
来年もよろしくお願いします。
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