『終わらせる』ことの大切さ
終わらせることが出来なければ 何も始めることなど出来ない
終わるべき時に終わらせられなければ
始めるべき時に始められないということ
祇園精舍の鐘の声、諸行無常の響きあり。
娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。
鐘の音さえ始まりと終わりがある。
花も咲いて散り、再び咲くもの。
盛衰という夏と冬のただの巡り。
すべては「諸行無常」の『巡り』の理(ことわり)。
栄華を終わらせられない人は、「終わった栄華」にしがみつき
枯れた華を守るために、必死になって毒を撒くこととなる。
四十九年 一酔夢 一期栄華 一杯酒
四十九年の人生は 酔って見た夢の連続
栄華は一期一会の刹那の喜び
一杯の酒を味わうに同じ
喜びは ほんのひと時の歓喜の情
そこに留まることなど出来ない
それでも栄華を握って離せず
理(みち)から外れて「外道」となる
春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて 冷しかりけり
時節は「神」でも逆らえない「理(ことわり)」
それを人の身で捻じ曲げることなどかなわない
されど人は執着し捻じ曲げて
「終着」した道に留まり続け「外道」となり行く
終わらせられない人の周りは
何も始まらない淀みが溢れる
終わらせられない人が集まり
淀んだ毒を放ちゆく
終わり無ければ始まりは無く 節目の無い竹のように
真っすぐ伸びること出来ず 曲がって地面に這い伸びる
蔦草のような性となり 人に纏わりついて高みを目指す
ゾンビのようなその性は 噛みつき周りも腐らせてゆく
「終わり」という節目は 過去と未来の「前後際断」
花は散るから咲くもので 人は死ぬから生まれ来る
栄華も散るから巡り咲く 酔いは覚めるからまた酔える
一期栄華 一杯酒 盛者必衰の理をあらはす
終わるべきものを終わらせぬから
待てど暮らせど始まらぬ
始めたくとも始まらないのは
終わらせぬからと知るがよし
始まれば終わることは無し
終わらせること後回しにして
始まりを待つ 待ちぼうけ
いつまで続けるつもりぞや
「終わり」は確と刻まねばならぬ
思ってるだけで終わることは無し
『身・口・意』を一致させ
『三密加持』してしかと刻むべし
思いだけでなく 言葉だけでなく
思いと言葉と行動で
確と「終わり」を三密加持し
刻みつけて 『節目』と為すべし
これより先は 生者と死者 分かれゆく道となりにけり
生者として死せる者 終わりと始まりの節目が
「転化」の『羽化』を繰り返し 死して生まれ続けゆく
死者として生ける者 終わりと始まりの節目が
無き故 死して生き続ける 屍の傀儡となりゆく
風の時代の飛び石の道 渡る羽根無くば渡れぬ理
終わらせなければ次へは行けぬ 節目が無くば高みに登れぬ
春夏秋冬留まらぬ如く 喜怒哀楽を止む非からず
常に巡りの真ん中に立ち 中行く道を進むべし
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